性的マイノリティに寄り添う
性的マイノリティの支えとなろうとするお寺の取り組みが広がっています。
性的マイノリティとは、同性が好きな人や、自分自身の性別に違和感を覚える人、心と体の性の不一致を感じる人々のことです。日本では人口の1.6%〜8.9%の割合でいると言われています。
これは、趣味・嗜好や後天的なものではなく、生まれ持った個性です。
お寺がリードする、信仰のあり方や寺院運営、葬儀やお墓のあり方の中には、性的マイノリティの人々を、「生きづらくする慣習」がたくさんあります。
近年は、戒名・法名と性別の問題や、家族制度を前提とした葬儀やお墓のあり方を柔軟に捉え直し、性的マイノリティの方々に寄り添う取り組みを進める宗門・寺院の存在も、珍しくなくなってきました。
しかし、まだまだお寺が、性的マイノリティへの差別解消をリードするような存在だとは、自他共に認識されてはいないでしょう。
ハンセン病患者と家族に対して仏教者が行ってきた差別への反省の記憶は、忘れてはならないものです。社会が動き出してから、「みんなで渡れば怖くない」と言わんばかりに、その後をお寺がついていくようなことでは、お寺がその使命を果たしているとは言えません。
性的マイノリティに寄り添う活動は、「来るものは拒まず」などというズルい大人の姿勢ではなく、反発を恐れず社会の一歩先をゆく姿勢で取り組んでいくことを、わたしはお寺に期待しています。
株式会社366 代表取締役CEO 伊藤照男
こちらのコラムは弊社と親交のある株式会社366 代表取締役CEOである伊藤照男さんにご寄稿いただきました。柔軟かつ鋭く、時には厳しく熱意ある伊藤さんからは今後もゲストコラムとして宗教界に関するお考えなど存分にお伺いしたいと思います。伊藤さんありがとうございました。阿育苑代表 川勝悠平
伊藤様について詳しくはこちらから→株式会社366