隅瓔珞 きらりん
阿弥陀様をご安置している御宮殿(阿弥陀様のおうち)の屋根の隅に吊り下げられているものがあります。
これは隅瓔珞(すみようらく)という装飾のお仏具です。
瓔珞(ようらく)というのはサンスクリット語で装飾品を意味するユーラという音感から訳されたといわれています。
イメージではネックレスやイヤリングなどのキラキラ・シャラシャラした装飾品ですが、お浄土ではこうしたキラキラシャラシャラしたとてもきれいなものが木からぶら下がっていると言われています。なんという光景なのでしょう!
この隅瓔珞は市販では木製が主流ですが(近年はプラスチック製もあり)今回ご紹介するのは金属製の隅瓔珞です。
薄い金属板を糸鋸で一つ一つ丁寧にくり抜き、さらに鏨で模様を彫り込んでいきます。
仕上げに金メッキを施し黄金色に輝く隅瓔珞が完成します。
西本願寺ではこのように御宮殿の軒隅に隅瓔珞が吊り下げられていますが東本願寺では輪灯の上部に何段にも瓔珞が吊るされています。(ただし御法要など特別な時だけ)
お灯明の光が瓔珞に照らされキラキラゆらゆらと乱反射し、また揺れたときにかすかに聞こえる美しい音によりその煌めきの表現も相まって、阿弥陀様の光に満ちた世界、おみのりが降り注ぐ様子を演出します。
スピーカーも照明もなかった時代、人々は持てる技術を結集してお浄土の世界観を作り上げてきました。