お寺とキャッシュレス
「坊主丸儲け」という言葉がありますが、現在の仏教寺院のおよそ4割強が、お寺としての収入(僧侶個人の収入ではありません!)が年間300万円以下となっています。
お寺全体の収入が年間1000万円を超えるお寺は、4軒に1軒程度です。 ごく一部の僧侶の振る舞いが、宗教者全体のイメージを決定づけてしまっています。
とはいえ、お寺の会計が杜撰であることは間違いありません。特に、法人と個人の財布を混在させている実態は非常に問題です。
行政はできる限り宗教法人に介入しないスタンスをとっているため、会計書類の作成・提出義務は他の法人格に比べて非常に簡易なものとなっています。
信教の自由を保護する観点からは意義のあることではありますが、行政が求めないからといって、一般市民の信頼を損なうような組織運営が許されるわけではありません。
宗教界は、市民の声を代弁した公権力に介入される前に、特に財務について自ら襟を正すべきだと私は考えます。
すべての会計帳簿を利害関係のない市民に公開しろとは言いませんが、まずは資金記録を明確にするために、積極的にキャッシュレス決済を導入してはどうでしょうか。 キャッシュレス決済は、すべてのお金の流れを記録に残します。
例えば、お賽銭箱に入った現金から寺族の昼食のために出前で蕎麦の代金を支払う場合、このお金の流れは、宗教法人に入ったお金を私的な昼食に使っていることになり、給与扱いで所得税の対象となるべきです。
しかし、現金でお金を動かしていると、これらは記録に残りません。 お寺(法人)と寺族(個人)の財布をしっかりと区別することは、お寺が財務面での信頼を取り戻す第一歩です。
キャッシュレス決済は、財務上のコンプライアンスに劇的に寄与します。 自浄作用のある宗教界が社会の手本となることを期待します。
株式会社366 代表取締役 伊藤照男 ≫株式会社366≪
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