行政のアンケートから見る墓地ニーズ(2022年横浜市より)
「合葬墓にニーズがあると聞いた」 「永代供養墓がいいらしい」
きょうも、とあるお寺の住職から、そんな話を聞きました。
間違ってはいません。
ですが、0か1かで、情報を断片的に捉える姿勢は、この世界を低い解像度のカメラで覗き見る姿に似ています。 世界はそんなにシンプルではありません。0と1の間のグラデーションを理解するために、この世界を高い解像度で見つめるために、各種の調査結果を紹介してまいります。
今回は、2022年10月に横浜市が実施した墓地に関する市民アンケートから。(対象:20歳以上の横浜市民、標本数:5000件、方法:郵送及びインターネット)
注目したのは「取得したいお墓の承継の必要性と遺骨を個別に収蔵する期間について」に関する質問。
「今後、取得したいと思うお墓のタイプ」として選択した結果のうち、上位4つが下記のようになりました。
1位 当初は骨壷で納骨をするが、一定の期間が来たら骨壷から出し合同墓へ移す、期限付きのお墓(38.7%)
2位 永年で使用し、子や孫に引き継ぐことができるお墓(30.0%)
3位 こだわらない(15.9%)
4位 最初から合同墓(9.5%)
お墓の1番人気が「期限付きのお墓」、ついで「代々のお墓」、そして「合同墓」。
この結果は、「いいお墓.com」を運営する株式会社鎌倉新書が直近で発表しているアンケート結果などとも矛盾しないものです。
このところお寺の住職からお話を聞くと、「代々のお墓」ばなれの対策として「合同墓」を建立する計画を立てているという話をよく耳にします。そこで私は、「お墓の1番人気の存在をご存知ですか」というお話をさせていただくことが少なくありません。
何ごとも0から1に、白から黒に、ある日突然変わるのではなく、その中間があるのです。そのグラデーション部分を高い解像度で捉えることは、人々の心情に寄り添うことと似ているのではないでしょうか。
今後も、各地・各時期のアンケートから、読み解きをしていきます。
株式会社366 代表取締役 伊藤照男 ≫株式会社366≪