「永代供養」と「永代使用」
最近のお墓をめぐる話題の中で、たいへん多い勘違いの一つに、「永代供養」と「永代使用」の混同があります。
「永代供養と広告に記載しているのに、合葬されるの?」
「永代供養なのに期限があるの?」
というお話しです。
「永代供養」は「永代使用」とは異なります。
「永代供養」とは、供養を永久に(通常は供養を担当するお寺が続く限り)続けますよ、というお話しです。
一方で「永代使用」ですが、こちらは墓地の利用権について使われる表現です。一般的に寺院墓地を利用する権利を「永代使用権」と呼ぶことがあります。「永代」と呼称されていますが、多くは墓地の利用者が続く限りは継続して「墓地を利用する権利」があるということです。
「永代供養」をお寺にお願いするというのは、故人の供養を永久に続けてもらう約束をお寺と取り交わすことです。近年は、家族が代々に渡って先祖の霊の供養を継続することが難しくなってきたことから、家族に代わってお寺などにその供養の継続を依頼するケースが増えています。これがお墓の衣を纏っているのが永代供養墓です。
永代供養墓の契約の本質は、お墓を永久に使わせてもらう契約ではなく、故人の供養を永続してもらう契約です。その付帯物として永代供養墓があります。
一方で永代使用は、墓地といいう不動産を利用する権利です。供養はあくまで家族が責任を持ちます。
永代供養はその対象が故人の供養であり、永代使用はその対象が墓地である、ということになります。 ですので、「永代供養」のお墓では、「お墓を承継する人はいなくてもOKです」「墓じまいはいりません」「合葬はされますが供養は続きます」ということになります。
なかには「永代供養だからお骨も永久に動かしません」と墓地管理者が利用者に約束をしているケースがありますが、永久という約束を皆さんは期待し、信じられますか? 100年後もそのお墓が維持されるでしょうか? 200年後はどうでしょうか?
「いや、そんな先のことは永久と謳っておいても問題ない」とうそぶくお墓販売の経営者もいますが、できない約束を有耶無耶にしているだけではないでしょうか。
永代供養と永代使用。あなたのお墓や納骨堂はなんと謳われていますか?
株式会社366 代表取締役 伊藤照男 ≫株式会社366≪