アジサイと花のお寺づくり
梅雨の季節、全国各地のいわゆる”アジサイ寺”の季節です。
Wikipediaには「アジサイ寺」というページがあり、北海道から九州までの64寺院が紹介されています。もちろん、Wikipediaに掲載のない”アジサイ寺”も無数にあることでしょう。
アジサイに限らず、梅のお寺、桜のお寺、ツツジのお寺、紅葉のお寺、牡丹のお寺などなど、日本にはたくさんの「花のお寺」が存在します。
「花のお寺づくりは、誰も不幸にしない」と、ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんとわたし(筆者)は語り合ったことがあります。
地域に潤いと誇りを与える存在として、人々が集い周辺経済を活性化させる仕組みとして、隣同士にあっても敗者を作らない取り組みとして、1度だけに止まらず何度も足を運びたくなる場として、花という命を通して信仰を学ぶ機会として、「花のお寺」はたいへん優れた実践の一つです。
秋田県男鹿市の曹洞宗・雲昌寺は、副住職・古仲宗雲さんが15年以上にわたって、手ずからアジサイを増やし育ててきました。
いまや秋田県を代表する景勝地として知られ、6月から7月にかけての1ヶ月余りで、5万人もの人々が訪れる場所となりました。
寺院周辺の経済も活気付き、地域を挙げての支援体制も広がっています。
お寺の大小に限らずできる「花のお寺」づくりの効用を、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
株式会社366 代表取締役 伊藤照男 ≫株式会社366≪